歩いてみましょう
春は四月十日から巡拝が始まります。
大師院は三百メートル以上離れた所に
石柱が門の名残として立っています。
(若松高校の前にある薬屋の隣)
境内が広かったのかなと思わせます。
踏みしめるのが勿体ない様に、桜が
散り敷いていました。
多分その広い境内の一隅ではなかった
かと思われる、何でもない町中にある
宗仁堂です。
生きながら地中に入り、念仏を唱え、
声が絶えた時こそ即身成仏と求道やま
なかった宗仁さんをしのぶ所です。
久保田の御地蔵さんは、花咲き
乱れる久保田さんちの庭を通り
抜け、石段を上がった所に
奠られて居ます。


すぐ近くに、溝口観音、中畑
虚空蔵堂が在ります。
小石幼稚園からすぐです。
中畑虚空蔵さんの境内にある
文殊菩薩様です。
小石観音寺は、火災により本堂を
焼失してしまいましたが、篤信の方達
に支えられて復興しました。
その小石観音寺の境内にある
竜神様です。樹齢数百年?もの
大樹の洞に祀られてあり、霊験
あらたかと言い伝えられています。
山手通りの小さな路地に入り、
少し登ると長覚禅寺境内に在る
島郷八十八ケ所の七十六番札所。
今から三十年位前に、夏休みの宿題として若松の
古い物という事で子供と二人して、畠田を探検し
た事があります。禅覚寺の山門に行く道は、片側
が用水路のような小さな溝で、きれいな水が流れ
ていました。切り石の土台の上に漆喰を塗った白
壁の農具倉庫の様な建物がある路地の曲がり角に、
ひらかなで「ヘんろみち」と彫り込まれた道標が
立っていました。
今、禅覚寺は建てかわり、山門は昔の面影が
ありますが、道幅が車が入る様に拡張されて、
一日がゆっくりと流れていた様な路地も、道標も
ありませんでした。もしかしたら、道標はどなたかが
大事に持っているかもしれません。
境内の様子も随分かわっていましたが、それでも
沢山の小さな石仏さん達は、座を移られて穏やかな
空間を静けさの中に保っておられました。
この辺りの山里には、市指定の保存樹が多いです。
つちあけびの真っ赤な実を初めて見たのもここらでした。

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